パリ・オートクチュールに参加する、唯一の日本人デザイナー YUIMA NAKAZATO ゴミ山からドレスはつくれるか――。
関根光才監督 最新作

燃えるドレスを紡いで

出演 中里唯馬 監督 関根光才 プロデューサー 鎌田雄介 撮影監督 アンジェ・ラズ 音楽 立石従寛 編集 井手麻里子 制作 GENERATION11 配給 NAKACHIKA PICTURES
ケニア、日本、パリ 絶賛されたショーの制作の旅に完全密着したリアル・ファッション・ドキュメンタリー
INTRODUCTION
2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、2009年に「YUIMA NAKAZATO」を設立。翌年7月、日本人では森英恵以来の2人目となるパリ・オートクチュール・コレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表している。デザイナーとして衣服に向き合ってきた中里は、「衣服の最終到達点が見たい」とアフリカ・ケニアに渡り、世界中から衣類をゴミとして押し付けられた現実を目にし、打ちのめされる。そして帰国し、中里は革新的なアイディアとチャレンジ精神で、未来へ繋がるデザインのあり方と共に、パリコレに挑む    
COMMENT
中里唯馬
中里唯馬
YUIMA NAKAZATO
2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、
2009年自身の名を冠したブランド「YUIMA NAKAZATO(ユイマ ナカザト)」を設立。
2016年、日本人では森英恵以来2人目となる
パリ・オートクチュールコレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、
継続的にパリで作品を発表。
近年は、オランダ出身の気鋭振付家ナニーヌ・リニング(NanineLinning)
によるボストン・バレエ団の新作バレエ『ラ・メール』(LaMer)の衣装デザインを手がけ、
また先日、日本人デザイナーとして初となる
フランス・カレーでのソロエキシビションも発表された。
[ COMMENT ]
もともとは別の企画で知り合い意気投合した関根監督から、
2年ほど前に世界の実情を一緒に見に行って
その旅をドキュメンタリーにしないか、と提案されたところからはじまりました。
結果的に私のショーの舞台裏のすべてにカメラが入るという
私にとっても初めての経験になりました。

衣服は何処からやって来て何処へ行くのか。

  私たちは普段、息をするように、当たり前のように服を着て生活しています。
本作を観た方たちが、少し立ち止まって、衣服って何だろう、
何で着ているんだろう、
そんな風に考えるきっかけになっていただけましたら嬉しいです。

  そして自分の目の前にある「衣服」の見えていない部分へ、
想像力を広げていただけたらもっと嬉しいです。
実は見えていないことのほうが大きいと思うので、
たどり着く先を本作で垣間見ることにより、
服に対する見え方がきっと変わると思います。  
関根光才
関根光才
KOSAI SEKINE
映像作家としてキャリアをスタートし、
手がけた広告映像作品は国際的なクリエイティブアワードで多数受賞。
2018年に初めて長編劇場映画の監督・脚本を担った
『生きてるだけで、愛。』で、新人映画監督に贈られる新藤兼人賞・銀賞、
フランス、キノタヨ映画祭・審査員賞などを受賞。
映画、CM、ミュージックビデオ、アートインスタレーション作品など多岐に渡り活躍する。
[ COMMENT ]
ゴミという問題は非常に深刻です。
でもゴミという概念は人間が作ったもの。
自然界にはゴミという概念自体が存在しないからです。
ならばゴミとされているものを新しい資源として、
より本気で捉えられないだろうか?
今回、唯馬さんのパリコレの制作プロセスを追いかける中で、
ファッションが抱える大きな社会課題に
チャレンジしている画期的な技術が日本にあることも知りました。
近しい夢を見ている人々と共創して、ゴミという概念も、服に対する概念も、
もしかしたら「何がオシャレでスタイリッシュなのか」ということに対する概念も、
違う角度から見れるようになるきっかけになれればというのが今回の作品です。